《デザイン》
“オーバー”の名の通り、すべてを包み隠すほどのたっぷりとした分量のあるコートを仕立てました。
名称としてのオーバーの起源や由来は諸説ありますが、主に厚手のウールでできたコートを指し、メルトンを使用したピーコートやダッフルコートがそう呼ばれることが多く、トラッド色の強いコートが主として挙げられます。
今季、ARTISAN MENではそうした質実剛健なオーバーコートのエッセンスを抽出し、メルトンとまではいかない手持ち感の、防風性を高めた上質なウールカシミヤビーバーを使用し雨風の侵入を防ぐダブル前のコートを仕立てています。
《素材》
カシミヤとタスマニアウールを交織して織り上げた、滑らかな風合いのウールカシミヤビーバーです。
織り上げた後の縮絨・しゅくじゅう(縮絨加工とは毛織物やニットの繊維を絡み合わせることで組織を緻密にし、肉厚で強度の高い生地を作ることを言います。
スチームによる高圧な蒸気とバキュームによる冷却で素材をセットし、素材の風合いを保ちながらボリュームを出していきます)をしっかりかけ、生地の目を詰まらせ、防風性を高めたコート地です。
日本の毛織物産地である尾州地方・愛知県一宮市で作りあげたJAPANファブリックです。
決して華美ではない、毛足が短めのショートビーバー仕上げ(毛並みが乱れにくい)にし、お手入れもし易い表面感にしてあります。
着用後は汚れやホコリを払うだけでも(毛並み方向にブラッシングがよりベター)クローゼットの中での保管の際のカビや虫食いなどを防ぐことができます。