当時ヨーロッパでは手書き風の柔らかなフォントが主流である中、ドイツのバウハウスが提唱する機能美=視認性を意識したデザインは、デンマークの電機機器製造会社のLK社に高く評価され、その後瞬く間にデンマーク国内の駅や公共の場で採用されることとなります。デザイン大国として知られるデンマークの「駅」にこのシンプルな時計が設置されたことから、「STATION」と呼ばれています。分刻みに付けられたインデックス、ツートンカラーで施された針は視認性に拘られているだけでなくヤコブセンの拘り抜かれたデザインの結晶となっております。80年以上経った今でも実用的で普遍的な作品です。視認性のよいアラビア数字とドットインデックス、特徴的な針の形状は、濃淡を付けるなど細かなデザインがなされて、シンプルな文字盤もヤコブセンならではのセンスで唯一無二の普遍的なデザインに仕上げています。