《デザイン》デザインは台衿付きの大きな衿とラペルがポイントのコートです。前打ち合わせ幅 を深くして贅沢な雰囲気を出しました。素材の良さを最大限に表現する為に最低限のディテールのみを残して、ミニマルなコートに仕上げました。サイズ感はジャストなシルエットにしています。後身頃と内袖にはソフトでドレープ性のある別布を使用しました。表地シルクの 光沢感に対して別布はマットな面にして、コントラストを出しました。柔らかい別布なので、歩くと布が揺れて女性らしい優しいコートに仕上げました。《素材》日本で流通しているシルクのうち、国産の繭が原料になるのはわずかに1.8% しかありません。そのほとんどが中国からの輸入になります。純国産シルクは、主に超高級和装生地向けに使用されています。この生地は、皇室にも納めている群馬県にある碓氷製糸場のシルクを使用しキメ細かいサテンを織り上げました。日本の伝統美が冴え渡り、綺麗な光沢を生んだ唯一無二の生地です。この希少な生糸を経糸に使用し、緯糸には日本最古の和紙といわれる ”美濃和紙”を使いました。和紙を使用したことにより生地自体にハリがでてとても軽い仕上がりになりました。日本が生んだシルクと和紙で織り成した贅沢極まりない生地ができました。